遺伝=DNAではない!

DNA(デオキシリボ核酸)

 最近ですが、今年の9月2日付けの毎日新聞の朝刊の一面に興味深い記事が掲載されていました。それは次のようなものです。

 マウスの全遺伝情報(ゲノム)を理化学研究所など11カ国の国際研究チームが解析した結果、これまでは何の役にも立っていないと考えられていたDNAの部分から、遺伝子の発現を指令するなど重要な機能を持つ約2万3000種類ものRNAが作られていることが分かったと言うのです。

 さて、この世界にはたくさんの生物が存在しますが、すべての生物は細胞という組織で成り立っています。従来、分子生物学の世界ではその中にあるDNAが生物の遺伝のすべて担っていると思われていました。そして、DNAの情報をもとに様々なタンパク質を合成する役割を果たすRNA(リボ核酸)というものがあります。このRNAはただDNAの脇役で遺伝には関与していないと思われていました。

 今回の科学的発見には2つの大きな意味があると思われます。

 ひとつは遺伝=DNAではないということです。以前からRNAがときには細胞質中で切り貼りされ、分断化されたRNAが逆にDNAのなかに組み込まれる可能性があるということは以前から指摘されていましたが今回の発見はこれを裏付けるものです。

 もうひとつはこの発見ですべての遺伝情報には意味がある可能性が指摘されたことです。

 今まではDNAの持つ全遺伝情報の中で実際にたんぱく質を作るのに必要なDNAはごくわずかで、ヒトの場合、必要なDNAは全体の約2%に過ぎないとされてきました。しかし今回の発見でこのような考え方は根底から覆されてしまいました。生物の遺伝は今まで考えられてきたよりももっと複雑な細胞のシステムによるのです。すべての生物には人知を超えた創造者の知恵による非常に複雑な設計があるのです。現在の進化論の主流は遺伝子の突然変異による生物の進化を説いていますがこのような複雑な遺伝のシステムが偶然の変異によってより生物が高次の段階へ進化すると考えるのはばかばかしいことではないでしょうか?