進化論者は多くの動物のからだにはまったく働きの無い器官があって、それは進化に伴う残り物(痕跡)なのだといいます。しかし、それは本当なのでしょうか。
これらのいくつかの器官は、進化の証拠として、一時非常によく活用されました。しかし、科学の進歩にしたがって、多くのものは重要なホルモン製造の腺であることが分かってきました。あるものは胎児のときのみ働くもの、あるいはまた、他の器官が故障したときにのみ働く予備であることが分かってきました。かつて機能したものが退化して働きがなくなったとか、今あるけれども痕跡でしかなく、全く機能していないなどと言うことはなんとも愚かな考え方で、それは単に研究不足で本当のことがわからないだけのことなのです。
そのような器官の中に盲腸と虫垂というものがあります。かつては、痕跡器官として何の働きも無いと思われていました。また、しばしば炎症を起こすものですから、やっかいもの扱いにされて、海外旅行に行く前には病気でもないのに切り取られる始末でした。しかし、今それが腸内で大切な働きをしていると言うことが分かってきました。
小腸から大腸への入り口に当たるのが、盲腸です。そして、盲腸の先端にぶら下がるようにくっついている、袋状の突起、これが虫垂なのです。長さは、わずか5~10センチ。直径は1㎝にも満たない小さな臓器です。しかし、この小さな虫垂は、大切な働きをしています。その断面を見ると一番内側はヒダヒダになっています。そして、粘膜上皮のすぐ下に、非常に発達したリンパ組織を持っています。

実は、虫垂の大切な役割とは、腸内の免疫機能のコントロールなのです。私たちの腸の中には、およそ300種類の腸内細菌と呼ばれる細菌が100兆個以上いるといわれています。これらの細菌は、互いにバランスを取りながら、腸内の抵抗力を高めたり、消化吸収を助けるなどの役割を果たしています。しかし、腸内細菌のバランスが崩れることもあります。ここで、虫垂のリンパ組織は、バランスを崩そうとしている細菌をすぐさま察知し、白血球を使って攻撃を行います。虫垂は、こうして、腸内の免疫機能を維持しています。
喉の扁桃腺が、門番のように、外部からの細菌を監視していることは、皆さんもよくご存知でしょう。虫垂は、働きも構造も扁桃腺と非常に近いことから、「腸の扁桃腺」とも呼ばれます。
進化論者は動物を解剖し、発見した内臓の機能が分からないと退化器官にしてしまいますが、本当は進化の過程の残り物としてあるような器官は何一つ無いのです。
