津久野キリスト恵み教会

ふくいん72号 -2021.10-

愚かな金持ち

群衆の中の一人がイエスに言った。「先生。遺産を私と分けるように、私の兄弟に言ってください。」すると、イエスは彼に言われた。「いったいだれが、わたしをあなたがたの裁判官や調停人に任命したのですか。」

そして人々に言われた。「どんな貪欲にも気をつけ、警戒しなさい。人があり余るほど持っていても、その人のいのちは財産にあるのではないからです。」

それからイエスは人々にたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作であった。彼は心の中で考えた。『どうしよう。私の作物をしまっておく場所がない。』そして言った。『こうしよう。私の倉を壊して、もっと大きいのを建て、私の穀物や財産はすべてそこにしまっておこう。そして、自分のたましいにこう言おう。「わがたましいよ、これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ休め。食べて、飲んで、楽しめ。」』

しかし、神は彼に言われた。『愚か者、おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』自分のために蓄えても、神に対して富まない者はこのとおりです。」

(ルカの福音書 12章13~21節より)

ある人が遺産相続の問題で解決を求めてイエス様のところに来ました。しかし、イエス様は「人があり余るほど持っていても、その人のいのちは財産にあるのではないからです」と言われ、お金より大事な問題があること、特に人は死について、神について考えなければならないことを教えられました。

さて、教会には様々な求めを持った方が来られます。「経済的に困っていて…」「健康上の問題があって…」「心の安らぎが欲しくて…」と言われる方が多いです。この冊子を読んでおられるあなたもそうかも知れません。そして、それはあなたにとって切実な問題でしょう。ですが、だからこそ聞いて頂きたいのです。

多くの方は目の前の問題の解決や自分の利益には関心があっても、神様との正しい関係にあるかどうかには関心がありません。また、自分の死と死後の行き先については無頓着です。けれども、それこそ本当に求めるべきことなのです。

なぜなら、たとえ今、健康で裕福で心満たされることができたとしても、あなたは冒頭の聖書箇所の「愚かな金持ち」と同じように必ず全て失うのです。経済的に安定していても死は訪れます。健康な人でもいつまでも生きてはいません。自分の永遠の行き先を知らずに、つかの間の平安を得てもそれは気休めに過ぎません。

永遠の刑罰

そして何よりも、あなたが神に立ち返らないなら、どれだけ豊かな人生を送っても、その先に待っているのは火の燃える恐ろしいゲヘナ(地獄)での永遠の刑罰です。

「というのは、不義によって真理を阻んでいる人々のあらゆる不敬虔と不義に対して、神の怒りが天から啓示されているからです。」(ローマ人への手紙 1章18節)

(しかし、最も哀れなのは、人生の色々なことが上手くいっているがゆえに何も考えない人々です。自分の生き方が間違っていることにも気づかないまま、永遠の地獄に向かっていくのですから! あなたが何かに行き詰まっているなら、神があなたに語り掛けておられることを知ってください。)

あなたは、寺や神社に行き、木や石でできた偶像の前で手を合わせたり、願い事をしたりして来られなかったでしょうか。それは、天と地を造られた力ある神を、木や石の作り物と同じように扱う大変に不敬虔な罪です。また、人には知られていない嘘、悪口、心の中の醜い考え、不正があなたの人生の中に数多くあるのではないでしょうか。何よりも、この世界を造られたまことの神様は一国の法律以上に高い権威をお持ちです(国の法律を定めた人たちも神によって造られたのですから、それは当然です)。法律違反が犯罪になるならば、造り主である神と神のみことばを無視して生きる者がさばかれるのは当然です。そのさばきの場所が、永遠の地獄なのです。

「そして、人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(へブル人への手紙 9章27節)

しかし、神は人間が地獄に行くことを喜んではおられません。冒頭のたとえ話の中で、神は金持ちに「愚か者」と言われました。あれは、神の悲しみをも含んだ非難です。「愚か者、なぜ生きている間に救いを求めなかったのか…。」「愚か者、なぜ目先の事柄にしか目を向けないのか…」「愚か者、私はあなたをさばかなければならない…。」あなたは愚か者にならないでください!

救い主

あなたが自分の間違いを認めて、神に立ち返りたいと願うなら、神は喜んで受け入れてくださいます。むしろ、神の方から人間の罪を赦したいと願われ、救い主を与えてくださいました。神は大切なひとり子、イエス・キリストをこの世界に人として遣わしてくださり、十字架につけてくださったのです。

イエス様は天におられた御子なる神が人となられた御方です。そのイエス様が私たちの代わりに罪のさばきを受けてくださったのです。さらに死後三日目によみがえられ、ご自身こそ救い主であられることを証してくださいました。つまり、あなたの罪が赦されるための、罰則金の支払いは全て終わったのです。あとは、あなたが罪を認めて、イエス・キリストを自分の救い主、神として信じ受け入れるだけです。そうするなら、全ての罪が赦され、天国に迎えて頂けます。そうしてこそ、本当の平安と、神に導かれる人生があるのです。

「わたしはあなたがたに平安を残します。わたしの平安を与えます。わたしは、世が与えるのと同じようには与えません。」(ヨハネの福音書14章27節)