津久野キリスト恵み教会

ふくいん65号 -2018.11-

人間の罪とさばき

「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい。」(ヨハネの福音書 8章7節)

これは、ある時にイエス・キリストがお語りになったみことばです。不道徳なことをしている現場で捕まえられた女性が、イエス様のもとに引き立てられて来ました。その人を連れて来た人々は、「こういうふしだらな女は石で打って死刑にすべきではないだろうか」と訴えていました。それに対して、イエス様はこのみことばを語られたのです。すると、どうなったでしょう。

「彼らはそれを聞くと、年長者たちから始まり、一人、また一人と去って行き、真ん中にいた女とともに、イエスだけが残された。」 (ヨハネの福音書 8章9節)

何と、それまで口々に叫んでいた人たちが、みな去って行き、誰もいなくなったのです。このことから、私たちは非常に大切なことを知ることができます。

①罪のない者は誰もいない

多くの人は、凶悪な犯罪者などを見ると、厳しく非難します。そして、自分はある程度善人であるかのように錯覚するのです。ちょうど、この不道徳な女性を連れてきた人たちが、彼女を目の前にすると正義感に燃えて訴えていたようにです。しかし、胸に手を当てて考えてみてください。あなたの人生の中には、知られたら困るような汚い罪がないでしょうか。あなたの心の中も全て知っておられる神様の前で、あなたは彼女に石を投げることができるでしょうか。

②どれだけ長く生きても良い人間にはならない

去って行った人たちは、「年長者たちから始まり」、一人ずついなくなったのです。私たちは、長年生きるとそれだけ人は整えられて、人格者になると思いがちです。あなたも、自分は長年苦労して生きて来たと自負しておられるかもしれません。しかし、長い間生きているということは、それだけ思い当たる罪が多いということではないでしょうか。あるいはこれから良い人間になれると思っている人がいるなら、去って行った人たちはあなたの将来の姿です。

③罪にはさばきがある

イエス・キリストは「罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい」と言われたのであって、彼女のしたことが処罰されるべき罪であることを否定してはおられません。むしろ、イエス・キリストは、罪には恐ろしいさばきがあることを最もはっきり語られた御方です。

たしはあなたがたに言います。兄弟に対して怒る者は、だれでもさばきを受けなければなりません。…『愚か者』と言う者は火の燃えるゲヘナに投げ込まれます。」(マタイの福音書 5章22節)

造り主である神様は、何が善であり、何が悪であるのかを決める最終的な権威をお持ちである主権者です。あなたが一つでも(実際には一つであるはずはありませんが)神の前に罪を犯したことがあるなら、それは永遠に火の燃えるゲヘナ(=地獄)での刑罰に値します。もしあなたが罪の赦しを受けないままで死を迎えたならば、その先にあるのは二度と出ることのできない地獄でのさばきなのです。

救い主イエス・キリスト

しかし、この出来事には続きがあります。

「イエスは言われた。『わたしもあなたにさばきを下さない。行きなさい。これからは、決して罪を犯してはなりません。』」(ヨハネの福音書 8章11節)

なぜ、あれほど恐ろしい地獄について語られたイエス・キリストが、この罪深い女性に「さばきを下さない」と言うことがおできになったのでしょうか。それは、このイエス・キリストこそ、天におられた御子なる神が人となられた御方であり、あわれな罪人を救うために世に来られた救い主であられるからです。

イエス・キリストは、この後、十字架につけられて死のうとされていました。それは、その十字架上で、この女性が、そしてあなたが犯した全ての罪を背負い、その罪に対する恐ろしい刑罰を身代わりに受けてくださるためだったのです。そして、キリストは実際に十字架で死なれ、その後三日目によみがえられ、今も生きておられます。イエス・キリストこそ、ご自分を信じる全ての者の罪を赦してくださる御方なのです。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネの福音書 3章16節)

罪の赦し

この罪深い女性は、「石を投げなさい」と言われた時に、死を覚悟し、恐怖したことでしょう。そして、神に逆らってきた自分の罪を自覚させられたでしょう。しかし、彼女は自分の目の前にいる御方が彼女を愛しておられ、彼女の罪を赦すために死のうとされている救い主であられることを知りました。そして、彼女はイエス・キリストを信じ受け入れたのです。ですから、彼女の罪は赦され、天国に迎えられる者となったのです。

この罪深い女性は、「石を投げなさい」と言われた時に、死を覚悟し、恐怖したことでしょう。そして、神に逆らってきた自分の罪を自覚させられたでしょう。しかし、彼女は自分の目の前にいる御方が彼女を愛しておられ、彼女の罪を赦すために死のうとされている救い主であられることを知りました。そして、彼女はイエス・キリストを信じ受け入れたのです。ですから、彼女の罪は赦され、天国に迎えられる者となったのです。

キリストは罪が赦された彼女に、「これからは、決して罪を犯してはなりません」と言われました。もちろん彼女はこの後、一切罪を犯さない完全な人になったわけではありません。しかし、神様は罪の赦しを受けた彼女に新しいいのちを与えてくださいました。そして、神との交わりの中を歩み、神に従うことを喜びとする者としてくださったのです。

あなたも、自分が主権者である神様に逆らって来た罪人であることを認め、イエス・キリストを信じ受け入れる方になってください。そして罪の赦しと新しいいのちを受け、喜びをもって神に従う者になってください。