津久野キリスト恵み教会

ふくいん60号 -2017.6-

ムナグロチドリ

私が以前住んでいた地域は畑や田んぼの多いところでした。その沿道に「渡り鳥飛来地」という看板をよく見かけました。渡り鳥とは、名の通り季節によって住む地域を変える鳥のことです。中には、アラスカが冬になるとハワイまで飛んでいくムナグロチドリという鳥もいます。距離にして約4,500km、連続飛行時間は約90時間(三日半)にもなります。それだけの距離をたった70gほどの脂肪を燃料にして一気に飛んでしまいます。さらに、太平洋の中でハワイはごく小さな島です。しかし、鳥たちはこれだけ長い距離を正確に目的地を目指して飛ぶことができるのです。正確な仕組みはまだ分からないようですが、地球上の磁気を利用していると言われています。

技術が進歩すると、何でも小型化されていきます。知恵や技術というのは、同じものをどれだけ小さく効率的にすることができるかによっても測られます。そう考えると、鳥の小さな体の中に計器や燃料など、飛ぶために必要な全ての仕組みや能力が備わっているということは驚くべきことです。

しかも、渡り鳥はこのような能力を最初から完全に備えていたに違いないのです。もし少しずつ学習していったとか、飛行距離が伸びていったというなら、完成するまでは海の途中で落ちていたということになるからです。それでは海を渡ることはむしろ種族を滅ぼすことになります。

では、誰が鳥にそのような仕組みや能力を与えたのでしょうか。冒頭に引用した聖書のことばが語っているように、それらは造り主である神の栄光とみわざを私たちに教えているのです。美しい形と精密な設計を持った飛行機を見るならば設計者や製作者がいることが分かるように、自然界の設計の美しさと精密さは神の知恵と力を私たちに教えています。

ろばは持ち主の飼葉おけを知っている

「天よ、聞け。地も耳を傾けよ。主が語られるからだ。『子らはわたしが大きくし、育てた。しかし彼らはわたしに逆らった。牛はその飼い主を、ろばは持ち主の飼葉おけを知っている。それなのに、イスラエルは知らない。わたしの民は悟らない。』」─旧約聖書イザヤ書 1章2.3節─

これは、神がかつてイスラエルにお語りになったみことばです。しかし、現代の多くの人々にも当てはまります。神が私たちに水や空気を与え、食物を備えてくださっています。ちょうど子どもが生まれる時に親が色々と準備をするように、この地球は人間の住まいとして整えられているのです。まさに「子らはわたしが大きくし、育てた」のです。しかし、多くの人はその造り主である神を無視して生きています。「神などいない」、「見たことがない」と言いながら、生命が自然に発生して、驚くほど多種多様な生物ができたのだという見たこともないことを信じているのです。

そして、さらに人間は神の忌み嫌われる罪を数多く犯して生きています。心の中で考えた悪い考えも、口から出てきた悪口や嘘も、人には知られていない行為も全て神はご存知です。「彼らはわたしに逆らった」のであり、「牛はその飼い主を、ろばは持ち主の飼葉おけを知っている」のに人間は自分を生かしてくださっている神を無視し、恐れないのです。

死と死後のさばき

「そして、人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」─新約聖書へブル人への手紙 9章27節─

罪に対しては、それにふさわしいさばきがあることは当然です。まことの神を無視しながら、人間の都合に合わせて木や石で作られた偶像を拝み、また多くの罪を犯して生きているその人生の行きつく先は死後のさばきです。それは、火の燃える永遠の地獄での刑罰なのです。

神は世を愛された

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」─新約聖書ヨハネの福音書 3章16節─

神はもともと、人間をご自身と共に喜びを持って生きるべき者として造ってくださいました。その人間がご自身から離れ、罪の中を歩んでいることを、また永遠の地獄に向かっていることを神は悲しんでおられるのです。しかし、人間には自分で自分を救うことはできませんし、どれだけ努力しても神の前に完全に正しい人はいません。ですから、神ご自身が私たちのために救い主を与えてくださったのです。

驚くべきことに、罪のない御子なる神が人となってこの世界に生まれてくださいました。人が神になることはできませんが、神は人をお造りになった御方ですから、人間になることは当然おできになります。溺れている子どもを救うために水の中に飛び込むように、罪に沈む人類の間にキリストは入って来てくださったのです。そして、そのご生涯の中で神のみこころを行われ、最後に十字架につけられて死なれました。それは、私やあなたの全ての罪を背負い、身代わりにさばきを受けてくださるためでした。そして、キリストは死後三日目によみがえられ、生きている姿を弟子たちにお見せになった後、天に帰って行かれました。

神様は誰でも自分の罪を認めて、イエス・キリストを救い主として信じる人の罪を赦してくださいます。そして、ご自身のおられる天国に迎え入れてくださるのです。どうか、あなたもイエス・キリストを信じて救いを得て、神と共に歩む人生を送る方となってください。